さて、今回はボブ・ディラン(Bob Dylan)のアルバムであるラフ&ロウディ・ウェイズ(Rough And Rowdy Ways)を紹介します!
この記事は、ラフ&ロウディ・ウェイズの内容や収録曲の紹介、その感想といった内容となっています。
ボブ・ディラン(Bob Dylan) 8年ぶりのオリジナルアルバムであるラフ&ロウディ・ウェイズ(Rough And Rowdy Ways)
2020年の7月(日本盤)に発売されたボブ・ディランのアルバム、ラフ&ロウディ・ウェイズはテンペスト以来約8年ぶりとなるオリジナルのニューアルバムです。
スタジオ収録のアルバムとしては39作目となります。
テンペストのあとに、シャドウズ・イン・ザ・ナイト、フォールン・エンジェルズ、トリプリケートと3枚のアルバムがリリースされていますが、これらはスタンダードナンバーのカバーアルバムでした。
ラフ&ロウディ・ウェイズは待望のオリジナル曲のアルバムとなっています。
2019年末のツアー後にレコーディングされたようです。
サウンドはシャドウズ・イン・ザ・ナイトなど3枚のカバーアルバムと近いものとなっていて、非常に渋いものとなっています。
エンジニアはラヴ・アンド・セフトやモダン・タイムスを手掛けたクリス・ショウです。
レコーディングはスタジオライブの形式が取られていて、オーヴァーダビングなどは行われていないようです。
2020年3月27日に最も卑劣な殺人の音源がネット上にアップされ、4月17日にはアイ・コンテイン・マルチチュードが、そして5月8日には偽預言者がアップされました。
79歳を迎えてもなお衰えないボブ・ディランの創作意欲には脱帽です。
特に病気になったとか体調を崩したとかという事も聞かないので、その元気さにも驚かされます。
ラフ&ロウディ・ウェイズの参加メンバー
ラフ&ロウディ・ウェイズは主にツアーを共に回るメンバーとレコーディングされています。
これは2001年のアルバムであるラヴ・アンド・セフトから続いている流れです。
ボブ・ディランとバックバンドの演奏は自分も日本公演で何度か見ていますが、本場の本物のミュージシャンという感じで圧倒されるものがあります。
チャーリー・セクストン(ギター)、ボブ・ブリット(ギター)、ドニー・ヘロン(スティール・ギター、ヴァイオリン、アコーディオン)、トニー・ガーニエ(ベース)、マット・チェンバレイン(ドラムス)がバンドメンバーです。
ゲストミュージシャンとしては、ブレイク・ミルズ(ギター)、ベンモント・テンチ(キーボード)、アラン・パスクァ(ピアノ)、フィオナ・アップル、トミー・ローズが参加しています。
ラフ&ロウディ・ウェイズの収録曲
ラフ&ロウディ・ウェイズは2枚組で、ディスク2には最も卑劣な殺人が収録されています。
・ディスク1
- アイ・コンテイン・マルチチュード(I Contain Multitudes)
- 偽預言者(False Prophet)
- マイ・オウン・ヴァージョン・オブ・ユー(My Own Version Of You)
- あなたに我が身を(I’ve Made Up My Mind To Give Myself To You)
- ブラック・ライダー(Black Rider)
- グッバイ・ジミー・リード(Goodbye Jimmy Reed)
- マザー・オブ・ミューズ(Mother Of Muses)
- クロッシング・ザ・ルビコン(Crossing The Rubicon)
- キーウェスト ”フィロソファー・パイレート”(Key West “Philosopher Pirate”)
・ディスク2
- 最も卑劣な殺人(Murder Most Foul)
悲哀と哀愁に満ち、それでいて怒りを感じるところもある歌詞が多いという印象を受けました。
固有名詞や歴史的人物、ミュージシャンやバンドも歌詞の中に数多く登場するのも特徴です。
ディスク2に収録されている最も卑劣な殺人はジョン・F・ケネディ暗殺についての内容で、ボブ・ディランの作品の中で最も長いものとなっています(16分54秒)。
最も卑劣な殺人はボブ・ディラン初の全米チャート1位となった曲でもあります。
ラフ&ロウディ・ウェイズはボブ・ディランのこれまでのアルバムの中でもトップクラスの歌詞の内容であると自分は思っています。
ボブ・ディランは同じ世代の他のミュージシャンよりもひとつ上の高みに到達しているという印象です。
ライナーノーツでは萩原健太氏が曲の解説をしているのですが、コード進行に注目した解説となっていて興味深いものとなっています。
ラフ&ロウディ・ウェイズは名盤と呼ぶのに相応しい内容となっているので大変おすすめです。
新型コロナウイルスの影響で2020年4月の来日公演が中止となってしまったのは非常に残念でしたが、再び来日公演が実現することを期待しながらラフ&ロウディ・ウェイズを聴いていきたいと思います。
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