さて、今回はLine6のディレイモデラーであるDL4を紹介した記事になります!
この記事は、DL4に内蔵されたモデルの特徴と使い方、エフェクターの繋ぎ方や電源についての内容となっております。
- Line6 DL4 Delay Modelerとはどのようなエフェクターなのか
- Line6 DL4の繋ぎ方やそれぞれのモデルの使い方を紹介
- Line6 DL4の繋ぎ方
- それぞれのツマミやスイッチの説明
- Tube Echo(Maestro EP-1)
- Tape Echo(Maestro EP-3)
- Multi-Head(Roland Space Echo RE-101)
- Sweep Echo
- Analog Echo(BOSS DM-2)
- Analog Echo w/Mod(Deluxe Memoryman)
- Lo Res Delay
- Digital Delay
- Digital Delay w/Mod
- Rhythmic Delay
- Stereo Delays
- Ping Pong
- Reverse
- Dynamic Delay
- Auto-Volume Echo
- Loop Sampler(ルーパー)の使用手順
- Line6 DL4の電源について
Line6 DL4 Delay Modelerとはどのようなエフェクターなのか
エレキギターのエフェクターの中でディレイ(Delay)というものがありますが、よくわからないという方のために簡単に説明します。
ディレイは遅延という意味で、入力された音を繰り返し再生できる機能を持っています。山びこのようにフレーズを繰り返したり、残響音を残すことでサウンドを印象的にする効果があります。
ディレイをうすくかけることでサウンドに厚みをもたらすこともできます。
フレーズを無限にロープさせた状態でディレイタイムのツマミをひねることで時空がゆがんだような特殊なサウンドを出すこともできます。
ディレイにはアナログとデジタルがあって、デジタルは入力された音を綺麗な音質で再現、アナログは劣化した音ではありますが独特な温かみのある音となるのが特徴です。
最近はデジタルでありながらもアナログのような音が再現されていますので、そこまでアナログにこだわる必要もなくなったと思います。
デジタルモデリング製品に定評のあるLine6(ラインシックス)というメーカーが2000年に発売したデジタルディレイエフェクターがDL4 Delay Modelerです。
過去のディレイの名機を再現したものや、オリジナルのディレイを15種類内蔵していて、この1台でかなりのディレイサウンドを楽しむことができます。
DL4にはループサンプラー(ルーパー)も内蔵されていて、14秒のフレーズを重ねて録音して再生することもできるので、フレーズを考える練習にも役立ちます。
通称「グリーンボックス」と呼ばれたDL4は人気の高いディレイエフェクターです。
非常に多機能なディレイエフェクターで、正直自分は使いこなせていません。
本体が割と大きくて重たい(本体1.75kg)のは難点ではありますが、ここまで多機能なのでしょうがないところでしょう。
Line6 DL4の繋ぎ方やそれぞれのモデルの使い方を紹介
Line6 DL4の繋ぎ方やモデリングされているそれぞれのディレイの特徴、使い方を紹介していきたいと思います。
Line6 DL4の繋ぎ方
ギター側のプラグをINPUTのLに入れ、アンプ側をOUTPUTのLに入れます。
INPUTのLにプラグが差し込まれていないと電源が入らないので注意が必要です。
ステレオ出力となっていますが、具体的な使い方がよく分かりませんでした。今後分かったら記述したいと思います。
EXPRESSION PEDALの端子には別売りのエクスプレッションペダルを接続して設定を記憶させ、ペダルでサウンドをコントロールすることができます。
ちなみに自分はエクスプレッションペダルは使用した事はありません。
一番右側には専用のACアダプターの接続端子があります。
それぞれのツマミやスイッチの説明
ツマミは左から、モデルの切り替え、DELAY TIME、REPEATS、TWEAK、TWEEZ、MIXとなっています。
基本的にはDELAY TIMEは音が入力される時間の調整、REPEATSは出力された音の繰り返す回数の調整、TWEAK、TWEEZは音質の調整、MIXは弾いた音とディレイとして出力された音量の調整となっています。
選択されたモデルによってツマミの用途や機能が違うので、後ほどモデルの紹介をする際に説明したいと思います。
スイッチはA、B、C、TAP TEMPOの4つのスイッチがあって、A、B、Cには選択したモデルでつくったサウンド設定を記録することができます。
記録する方法は、サウンドをつくった後に記録したいスイッチを3秒間長押しすると記録されます。
TAP TEMPOはディレイタイムを変えることができて、いちど押してもう一度押すまでの時間がディレイタイムとなります。ディレイタイムは最大2.5秒です。
それでは各モデルの説明をしていきたいと思います。
Tube Echo(Maestro EP-1)
Tube Echoは1963年に発売されたEchoplex社のMaestro EP-1をモデリングしています。
テープのワウフラッター(音のゆがみ)を再現していて、TWEEKのツマミをひねることでそれを調節することができます。
TWEEZのツマミは真空管とテープから生まれるドライブの量を調節することができます。
EP-1は真空管を使った機器なので、非常に温かみのある音となっている印象です。
Tape Echo(Maestro EP-3)
Tape EchoはMaestro EP-3をモデリングしています。EP-1は真空管ですが、EP-3はトランジスタとなっています。
EP-3は1970年代にレコーディングで多く用いられていて、エディ・ヴァン・ヘイレンやジミー・ペイジなども使用していたそうです。
Tape Echoはトランジスタという特性が再現されているだけに、Tube Echoに比べて歪みが少ないサウンドでカリッとした音という印象です。
TWEAKのツマミは低音域の調整、TWEEZのツマミは高音域の調整となっています。
Multi-Head(Roland Space Echo RE-101)
Multi-HeadはRolandのSpace Echo RE-101をモデリングしています。
最大4つのヘッドからのディレイ音が出力されます。
それぞれのヘッドのディレイタイムを変えられるわけではないので、4つ分のディレイが追従してくる感じです。
TWEEKのツマミを9時の位置にすると、ヘッド1がON、12時の位置にするとヘッド1,2がON、3時の位置にするとヘッド2がONになり、ツマミを絞り切るとどちらもOFFになります。
TWEEZはヘッド3、4に対応しており、操作方法はTWEEKと同様です。
音質はTape Echoに近いものとなっています。
BOSSからはRE-101の発展型であるRE-201をモデリングしたRE-20が発売されています。
Sweep Echo
Sweep EchoはLine6オリジナルのエフェクトで、EP-1のサウンドにスウィーピングのエフェクトが足されたものとなっています。
面白いエフェクトで、DL4の価値を押し上げるものであると思います。
TWEEKのツマミはスウィープのスピード調整、TWEEZのツマミはスウィープの深さ(デプス)調整となっています。
Sweep Echoに限ったことではありませんが、DELAY TIMEのツマミを絞り切ってMIXのツマミを上げ切れば単純にスウィープのエフェクターとして使用することができます。
Analog Echo(BOSS DM-2)
Analog EchoはBOSSのコンパクトエフェクターであるDM-2がモデリングされたものです。
DM-2はディレイエフェクターの名機として知られています。
近年ではDM-2Wとして販売されています。
Analog Echoは温かみのあるサウンドで一般的なアナログディレイという感じですが、使い勝手はいいと思います。
TWEEKのツマミは低音域の調整、TWEEZのツマミは高音域の調整となっています。
Analog Echo w/Mod(Deluxe Memoryman)
Analog Echo w/ModはElectro-HarmonixのDeluxe Memorymanをモデリングしたものです。
モジュレーション系のディレイエフェクターの名機で、U2のジ・エッジが愛用した事でも知られています。
現行のDluxe Memorymanは少しコンパクトになっています。
Analog Echo w/Modはコーラスのようなサウンドからヴィブラートのようなサウンドまで出すことができます。
TWEEKのツマミはエフェクトのスピード、TWEEZのツマミはエフェクトの深さの調整となっています。
Lo Res Delay
Lo Res Delayは1980年代初頭に登場した低分解能のデジタルディレイを再現したものです。
アナログディレイとはまた違った味のあるデジタルディレイサウンドを得ることができます。
TWEEKのツマミはトーンの調整、TWEEZのツマミは絞り切ると24ビットの分解能、上げ切ると6ビットの分解能となります。
ビット数が少ないほど粗い音質となります。
Digital Delay
Digitai DelayはLine6オリジナルの高品位デジタルディレイです。
24ビット処理で、Lo Res Delayとは違ったクリアなディレイサウンドとなっています。
TWEEKのツマミは低音域の調整、TWEEZのツマミは高音域の調整となっています。
Digital Delay w/Mod
Digital Delay w/Modはデジタルディレイにコーラスエフェクトを加えたモジュレーションディレイとなっています。
そこまでコーラスエフェクトが強くかからないという印象です。
TWEEKのツマミはコーラスのスピード調整、TWEEZのツマミはコーラスの深さの調整となっています。
Rhythmic Delay
Rhythmic Delayはディレイの音でリズムをキープしたいときに使用するものとなっています。
TAP TEMPOのスイッチをいちど踏んで曲のテンポにあわせて1、2、3、4とカウントしてもういちどスイッチを踏みます。
そしてDELAY TIMEのツマミを回して好みのリズムに合わせます。ツマミの位置によって5種類のパターンでリズムを刻んでくれます。
Rhythmic Delayもモジュレーションディレイとなっていて、TWEEKのツマミはコーラスのスピード、TWEEZのツマミはコーラスの深さの調整となっています。
しっかりとテンポを合わせてTAP TEMPOのスイッチを踏むのが結構難しいです。
Stereo Delays
Stereo Delaysは2つのディレイを操ることのできるモデルです。
U2の代表的な曲である約束の地(Where The Streets Have No Name)の印象的なイントロのリフはステレオディレイを用いているそうです。
Delay TimeとREPEATSのツマミで左のチャンネルのディレイ、TWEEKとTWEEZのツマミで右チャンネルのディレイの設定をします。
Ping Pong
Ping Pongは左右2つのディレイを間隔を変えて鳴らすことのできるモデルです。
TWEEKのツマミは2つのディレイの間隔を調整します。調整されるのは2つ目に鳴るディレイ音で、12時の位置だと一定の間隔となります。
TWEEZのツマミはステレオの場合の音の広がりの調整です。
Ping Pongは独特で使いみちの難しいモデルだと思います。
Reverse
Reverseはフレーズを逆回転させることのできるモデルです。
ビートルズのトゥモロー・ネヴァー・ノーズ(Tomorrow Never Knows)のようなフレーズをつくり出すことができます。
ディレイタイムは1.25秒なので、1.25秒フレーズをためてそれを逆回転で出力します。
DELAY TIMEを最大にし、REPEATSを絞り切って、MIXを最大にすればリバースのギターソロといった感じになります。
TWEEKはモジュレーションのスピード調整、TWEEZはモジュレーションのスピード調整となっていますがあまり差が無く、TWEEKツマミを2時ぐらいまで上げるとヴィブラートのような要素が強くなってくるといった感じです。
Dynamic Delay
Dynamic Delayはラック式エフェクターの名機であるTC ElectronicのTC 2290の機能をモデリングしたものです。
ギターソロなどで続けて弾いている時はディレイのボリュームが下げられ、演奏の間隔があいた時にディレイのボリュームが上がるというモデルです。
こうなることで演奏中にディレイが邪魔になることが無く、演奏の間でディレイの余韻を残すことができます。
TWEEKとTWEEZのツマミでディレイを押さえるレベルと大きく発動させるレベルを調節するのですが、なかなか難しいです。
Auto-Volume Echo
Auto-Volume Echoはギターのボリュームを素早く上げる事でヴァイオリンのようなサウンドを出すボリューム奏法を自動でやってくれる便利なモデルです。
ギタリストのロイ・ブキャナンはボリューム奏法を得意としていました。
TWEEKのツマミはモジュレーションの深さ調整、TWEEZのツマミはオートボリュームの上がり具合を調節します。
動画で各モデルの音色を紹介しているので是非ご覧ください。
Loop Sampler(ルーパー)の使用手順
Loop Sampler(ルーパー)の使用手順を簡単に紹介します。
RECORD/OVERDUBスイッチを押すと録音が始まりますので、演奏して録音します。録音できる時間は最大14秒です。RECORD/OVERDUBスイッチを押すと録音が終了します。
録音したフレーズが再生され、オーバーダビング状態は継続しています。
PLAY/STOPスイッチを押すことで再生を止めると共にオーバーダビング状態もストップします。
再度PLAY/STOPスイッチを押すとフレーズが再生されます。この時に試し弾きをしたり、ディレイのセッティングをするといいと思います。
よきタイミングでRECORD/OVERDUBスイッチを押して録音を始めてフレーズを重ねていきます。
PLAY/STOPスイッチを押して再生を止めて、PLAY/ONCEスイッチを押すと1度だけフレーズを再生することができます。
再生中に1/2 SPEED/REVERSEスイッチを1回押すと半分の速度になり、2回続けて押すとリバース再生になります。リバース再生の時にもう一度押すと半分の速度のリバース再生になります。
半分の速度の時にオーバーダビングして、速度を戻すとオーバーダビングしたフレーズが倍速で再生されます。
モデルのツマミを切り替えたり、INPUTのシールドを抜いて電源を切ったりすると録音したフレーズは消えてしまいます。
自分はあまりルーパーを使いこなせてはいませんが、工夫次第でかなり独創的なサウンドを作ることができるのではないでしょうか!
Line6 DL4の電源について
Line6 DL4の電源は単2乾電池4本か、別売りの専用ACアダプター(パワーサプライ)が必要になります。
アルカリ乾電池であれば20~30時間はもつようです。使用しないときはINPUT端子からシールドを抜いておかないと電池が消耗してしまうので注意が必要です。
電池が残りわずかになると4つのランプが全て点灯します。
自分は電池だと何かと煩わしいのでACアダプターを使用しています。
さて、ここまでLine6のDL4を紹介しました。多機能であるがためにいじり始めると沼にはまってしまいますが、この記事が少しでも参考になれば幸いです!
DL4の進化版であるDL4 MkⅡが2022年に発売されました。こちらも注目です。
・他のエフェクターも紹介しているので是非ご覧ください。
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