さて、今回はエレキギターのピックの比較と初心者のピックの選び方についての記事になります!
この記事は、各種ピックを弾いた感想と初心者のピック選びを紹介した内容となっています。
各種ピックを比較して自分に合ったピックを見つける
楽器屋さんに行くとギターのピックは数十種類以上あって何を選べばいいのか分からないものです。
その全てを試すことは困難で、たとえ試せたとしても何が一番いいのか答えを出すのは難しいと思います。
自分はずっとフェンダーのティアドロップ型のHeavyを使用してきました。ほとんど他のピックを試すことなく「これでいいか」という感じで弾き続けてきましたが、さらに自分にあったピックを見つけるべく、いくつかの種類を購入して弾き比べてみました。
ピックを購入したのは新宿の山野楽器 ロックイン新宿です。かなりの種類のピックが取り扱われているのでおすすめです。
・山野楽器 ロックイン新宿をはじめとして、新宿、大久保エリアの楽器屋を紹介した記事はコチラです。
今回、形はティアドロップ型でフェンダーのHeavyに近い固さのものを選んで購入してみました。
店頭でピックを触って固さを確かめたり、厚さの表記で選びましたが、実際に弾くと思ったより固かったり、もっと固くてもいいなと思うことがあったので分からないものです。
ピック選びは正直なところ弾いてみないと分からないものですが、少しでもこの記事がピック選びの参考になれば幸いです。
では、いくつかの種類のピックを紹介していきたいと思います。
フェンダー(Fender)
自分は基本的にティアドロップ型を使用しているのですが、今回は改めてトライアングル型(オニギリ型)も試してみることにしました。
フェンダーのピックはセルロイドという材質となっています。セルロイドの特徴としては適度なしなりがありますが、削れやすいという欠点もあります。
しばらく使用していると金色の文字が消えていくのも特徴です。
フェンダーのピックには4種類の厚さがあって、Thin(0.50mm)、Medium(0.70mm)、Heavy(1.0mm)、Extra Heavy(1.15mm)となっています。
ピックにミリ数の表記がないので、覚えておいたほうが店頭で他のピックと比較する時にスムーズにいくでしょう。
個人的にThinは薄すぎて、Extra Heavyは固すぎる印象です。
今回、久々にMediumを試しましたが、自分にはちょっと柔らかったです。
柔らかいとカッティングをした時にペチペチした音が鳴るのが嫌いなので、それが自分のピック選びの基準となっています。
アンプを通した時にペチペチした音は拾いませんが、アタック感が殺されるのは間違いありません。音も違いますがMediumのほうが好みだという方もいらっしゃるでしょう。
固いピックで柔らかいニュアンスを出すことはできますが、柔らかいピックだと強いアタック感が損なわれてしまうので、こういった部分が自分は柔らかいピックの嫌いな要因のひとつです。
今回はMediumとHeavyのティアドロップ型とトライアングル型を試しましたが、やはり長年使っているティアドロップ型のHeavyが自分に合っているようでした。
同じMediumであってもトライアングル型は大きいせいか、しなりも大きい感じがします。
ジムダンロップ(Jim Dunlop)
ギター関連のアクセサリーやエフェクターを数多く取り扱うジムダンロップのピックも定番として知られています。
今回はジムダンロップのピックを多く試したので、各種類を紹介したいと思います。
トーテックス・スタンダード(Tortex Standard)
カメのイラストが特徴的なジムダンロップのピックの基本的なシリーズであるトーテックス。
トーテックスはデルリンという素材に独自の加工を施したもので、しっとりとした質感です。
そのために汗を掻いても滑りにくく、耐久性があり、削れにくい特徴もあります。
形状によって色々な種類がありますが、ティアドロップ型はトーテックス・スタンダードという名称です。
厚さは0.50mm、0.60mm、0.73mm、0.88mm、1.0mm、1.14mmの6種類で、厚さによって色分けがされています。
大きさはフェンダーのものより若干大きいです。
トーテックスは結構固く、同じ1.0mmであってもフェンダーHeavyより固いです。
今回は0.88mmと1.0mmを購入して試してみましたが、0.88mmのほうがしっくりきて、1.0mmはちょっと固すぎる印象でした。
フェンダーHeavyに慣れているなら0.88mm、フェンダーMediumに慣れているなら0.60mmとひとつ薄くしたほうがしっくりくるのかもしれません。
弾いた感触はいい感じで、自分は好きなピックでした。
サウンドはフェンダーよりもこもった印象です。
トライアングル型や丸みを帯びた形など選択肢も多くあります。
大概の楽器屋さんには置いてあるので購入もしやすいと思います。
デルリン(Delrin) 500
デルリン500はトーテックスに加工が施されていないもので、ツルツルした質感となっています。
そのため汗を掻くと滑りやすいかもしれません。
厚さは0.46mm、0.71mm、0.96mm、1.14mm、1.5mm、2.0mmの6種類で厚さによって色分けがされています。
今回、0.96mmを購入したのですが、非常に弾き心地が良かったので1.14mm、1.5mm、2.0mmも追加で購入しました。
エッジに傾斜がついているのも特徴です。
弾き心地の良さはツルツルとした質感のためなのか、エッジの傾斜のためなのかはっきり判断できませんが、弦に当たる感触が非常に滑らかだと感じました。
0.96mmと1.14mmが弾きやすく、どちらも遜色なく弾けましたが1.14mmのほうがコードストロークの時に若干ふくよかな音がした気がしました。
サウンドはトーテックスよりもさらにこもっています。
1.5mm、そして2.0mmはかなりの厚みですが、不思議と普通に弾けるという印象でした。
2.0mmはコードストロークすると明るい音がして不思議な感じです。他はそこまで大きな違いは感じませんでした。
大きさはフェンダーとほとんど変わりません。
デルリン500にはトライアングル型と滑り止めの加工が施されたシリーズもあります。
ウルテックス・スタンダード(Ultex Standard)
ウルテックス・スタンダードはウルテムという素材で、べっ甲に近く人の爪に近い素材とも言われています。
セルロイドやデルリンよりも固い素材です。なのでフェンダーやトーテックスよりも固いピックとなります。
厚さは0.6mm、0.73mm、0.88mm、1.0mm、1.14mmの5種類です。厚さによって色分けはされておらず、全て同じ色です。
今回は0.88mmと1.0mmを購入しました。
弾いた感触としてはトーテックスに近いものがありますが、トーテックスは粘り気があるのに対し、ウルテックスは少し固い感触です。
サウンドはトーテックスやフェンダーより明るい印象です。
大きさはフェンダーとほとんど変わりません。
トライアングル型や先端の尖ったジャズ使用のものなど多くのシリーズがあって選択肢は広くなっています。
ナイロン・ミディ・スタンダード(Nylon Midi Standard)
ナイロン・ミディ・スタンダードは文字通りナイロン製のピックです。
ナイロン・スタンダードというシリーズがありますが、その中間の厚さがナイロン・ミディ・スタンダードシリーズです。
厚さは0.53mm、0.67mm、0.80mm、0.94mm、1.07mm、1.14mmの6種類で、トーテックスと同じような色分けがされています。
今回は0.94mm、1.07mm、1.14mmを購入しました。
ナイロンは非常に柔らかいので、セルロイドなどより厚めのサイズを選ぶと良いでしょう。
自分は1.14mmがしっくりときました。
ナイロンは柔らかいのでこもった音がするのかと思いきや、意外と明るい音がしたのは発見でした。
トーテックスよりも明るく、フェンダーに近い音でした。
ナイロンは弾いた時の感触が柔らかくて弾き心地が良いです。
Nylon Jazz Ⅲ XL
ジムダンロップのJazzシリーズはⅠ、Ⅱ、Ⅲとあって、Ⅰは先端が丸く、数が増えるに従って鋭くなっていきます。
Nylon Jazz Ⅲ XLはナイロン製で、グリップ面が大きい形となっています。
ティアドロップ型とは少し異なりますが、人気の高いピックのようなので試しに購入してみました。
厚さは1.38mmです。
弾いた感触は独特で、非常に気持ちよく弾けるピックでした。先端が細くて単音弾きに適していますが、コードストロークもいい感じです。
サウンドはナイロン・ミディ・スタンダードより少し明るい印象で、主張の強いサウンドになる印象です。
非常にいいピックだと思うので、興味のある方はいちど試してみる価値があると思います。
トーテックスやウルテックスの素材でもJazz Ⅲ XLの形があるので、そちらも興味深いものがあります。
ジムダンロップのサイトでピックのラインナップを見ることができるので、参考にしてみて下さい。
クレイトン(Clayton)
クレイトンはウルテム製のピックの代表的なメーカーです。ピック以外は何を販売しているのかよく分かりませんでした。
クレイトンのピックはトライアングル型などいくつか種類がありますが、今回は基本的なティアドロップ型のUltem Goldを購入しました。
Ultem Goldの厚さは0.38mm、0.45mm、0.56mm、0.72mm、0.80mm、0.94mm、1.07mm、1.20mmの8種類です。
自分は0.72mm、0.80mm、0.94mmを購入しました。
大きさはフェンダーやトーテックスよりも少し大きいです。
弾いてみたところ非常に固く、弦にあたる感触がどのピックよりも固いという印象でした。
0.80mmがいちばんしっくりきました。0.94mmはかなり固いです。
同じウルテム素材のウルテックスとも全く違う感触でした。
サウンドも他のピックと全く違っていて、かなり明るくきらびやかな音でした。
ただ弾きやすいかといえばそうではなく、自分には難しく感じました。単音弾きの際、弦の当たりに滑らかさがないという印象です。
アコースティックギターでも試してみましたが、コードストロークの音色が非常にきらびやかでいい音がしたのは印象的でした。
サウンドが他のピックとは全く違うので、興味のある方はいちど試してみてはいかがでしょうか。
Master 8 Japan(マスターエイト・ジャパン)
Master 8 Japanは日本国内の新鋭のピックブランドで高い評価を得ています。
Maser 8 Japanのいくつかの種類のピックを紹介していきます。
INFINIX(インフィニックス)
Maser 8 Japanの代表的なシリーズがINFINIX(インフィニックス)です。
独自の特殊プラスチックで作られていて、高い摩耗耐久性と手に馴染む質感を持っています。
INFINIXシリーズにはティアドロップ型、トライアングル型、小振りなジャズ型の形があり、それぞれ滑り止めのついたHARDGRIPタイプがあります。
厚さはティアドロップ型、トライアングル型は0.6mm、0.8mm、1.0mmの3種類、ジャズ型は0.88mm、1.0mm、1.2mmとなっています。
自分はティアドロップ型、HARDGRIPタイプの1.0mmを購入しました。
HARDGRIPタイプは粉っぽくてザラザラした質感が気持ち悪くて好きではないのですが、滑り止めなしのタイプが売っていなかったので仕方なくこちらを購入しました。
INFINIXシリーズは先端が尖っているのが特徴ですが、そこが好みの分かれるところです。
早弾きには適していますが、激しくコードストロークをすると先端が割れてしまうかもしれません。
音色はフェンダーやジムダンロップのピックよりも明るい印象でした。
固さはフェンダーと同じぐらいです。
INFINIX HARD POLISH with RUBBER GRIP
INFINIX HARD POLISH with RUBBER GRIPは、通常のINFINIXに特殊な研磨加工を施してしっとりとした質感となっています。
エッジが丸くなっているのも特徴です。
滑り止めはラバータイプでザラザラしておらず、いい感じです。
ティアドロップ型、トライアングル型、ジャズ型、サムピック型の種類があります。
INFINIXシリーズと同じく、先端が尖ったものとなっています。
ティアドロップ型、トライアングル型の厚さは0.6mm、0.8mm、1.0mm、ジャズ型は0.88mm、1.0mm、1.2mmです。
自分はティアドロップ型の1.0mmを購入しました。
ラバーグリップは抜群の滑り止め効果があります。触り心地も気持ち悪くありません。
音色は通常のINFINIXとほとんど変わらない印象でした。
INFINIX-U
INFINIXにウルテム素材がブレンドされたものがINFINIX-Uシリーズです。
形はティアドロップ型、トライアングル型、ジャズ型の3種類で、厚さはティアドロップ型、トライアングル型は0.73mm、0.88mm、1.0mm、ジャズ型は0.88mm、1.0mm、1.2mmです。
ティアドロップ型は一般的な形で、先端は尖っていません。
現状、ザラザラした滑り止め加工がされたタイプしか販売されていません。
自分はティアドロップ型の1.0mmを購入しました。
自分としてはかなり好みの形でしたが、ザラザラの滑り止めのついたタイプしかないのは残念なところで、滑り止めのないタイプが発売されるのを期待しています。
音色は通常のINFINIXより若干こもっている印象ですが、ほとんど区別がつかないぐらいです。
固さは通常のINFINIXより柔らかい気がします。
D-801
D-810はティアドロップ型、トライアングル型、ジャズ型があります。
厚さはティアドロップ型とトライアングル型は0.6mm、0.8mm、1.0mmの3種類、ジャズ型は0.8mm、1.0mm、1.2mmです。
それぞれ滑り止めの無いタイプと、ザラザラした滑り止めの付いたHARDGRIPタイプがあります。
自分はティアドロップ型の滑り止めの無い0.8mmと1.0mmを購入しました。
D-801はジュラコンという素材で固さがあります。質感はジムダンロップのトーテックスのようにしっとりとしていて滑りにくいです。
そういった質感でありながらサウンドは非常に明るく、クレイトンに近いものがありました。
固すぎるわけでもなく、自分は1.0mmがしっくりきました。
弾いた感触は良いですが、先端が他のメーカーに比べて長いのでちょっと弾きにくい感じがありました。
個人的に形の面で弾きにくさがありましたが、質感や音はかなり上質なものである印象でした。
今回試した中で一番弾きやすかったピックは
今回様々なピックを試しましたが、一番弾きやすいと感じたのはデルリン500でした。
0.96mmと1.14mmが弾きやすく、どちらも遜色ないものでしたが厚さを考慮して0.96mmをしばらく使用してみようと考えています。
弾きやすさの判断は、10回弾いて何度かミスしてしまうぐらいの自分にとって難しいフレーズで試すと分かりやすかったです。
サウンドの明るさでいうとクレイトン→D-801→INFINIX→ウルテックス→フェンダー→ナイロン→トーテックス→デルリン500という順番でした。
クレイトンは明るくきらびやかでどのピックとも明らかに違うサウンドでした。非常に主張の強いサウンドが出せると思います。
逆にデルリン500はこもったようなサウンドですが、自分はコードストロークのリズムギターの趣向が強いので合っているのではないでしょうか。
ナイロンピックは独特の弾き心地で面白いものがありました。Jazz Ⅲ XLも非常にいいピックだと思いましたが、耐久性の面が気になったので常用は見送りました。
ジムダンロップのウルテックスもいい感じだったので時折試していこうと考えています。
初心者のピックの選び方
初心者が自分に合ったピックを見つけて結論を出すことは非常に難しいことですが、ピック選びのひとつの道筋を提案したいと思います。
まず定番であるフェンダーのMidiumとHeavyのティアドロップ型とトライアングル型を試して固さはどちらがいいか、形はどちらがいいかを決定します。
ちなみにトライアングル型は3つの角を使用することができるのでティアドロップ型よりお得です。
どちらか気に入った形で他のメーカーのピックを試していけばいいわけですが、フェンダーに近い順番だとジム・ダンロップのトーテックス、ウルテックス、デルリン500です。
その後に材質がナイロンのミディ・スタンダードを試してみるのがいいと思います。
固さはそれぞれ違いますが、フェンダーHeavy(1.0mm)を基準に考えるとトーテックスだと0.88mm、ウルテックスも0.88mm、デルリン500だと0.96mm、ナイロン・ミディ・スタンダードだと1.14mmが近いものとなります。
その後にJazz Ⅲ XLやMaster 8 D-801、クレイトンのウルテムを試してみるといいと思います。
Master 8 D-801とクレイトンのウルテムは近いものがあります。
特にクレイトンのウルテムはサウンドが他と違っています。アコースティックギターならば是非とも試してサウンドを体感してみてほしいと思います。ただ、個人的には弾きやすいピックではありませんでした。
柔らかいピックと固いピックはどちらがいいかというところでいうと、個人的には固めのピックのほうがいいのではないかと考えています。
初心者は弾きにくいかもしれませんが、初めから固いピックに慣れておくほうがいいのではないでしょうか。
ここまで様々なピックを紹介していきましたが、この記事がピック選びの参考になれば幸いです!
・初心者がエレキギターを始めるにあたって必要なものを紹介した記事はコチラです。
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