さて、今回はフェンダー ジャズマスター(Fender Jazzmaster)を使用している名手ギタリストを紹介した記事になります!
この記事は、ジャズマスターを使用している3人のギタリストと、そのおすすめのアルバムを紹介した内容となっています。
フェンダー ジャズマスター(Fender Jazzmaster)とは
フェンダー社のエレキギターであるジャズマスターは1958年に発売されました。
テレキャスターやストラトキャスターはジャズギタリストに使用されなかったことから名前の通りジャズギタリト向けにフェンダーが作ったエレキギターです。
ジョー・パスが使用することがあったもののそれほど好評であったわけではないようでしたが、ベンチャーズなどサーフミュージック系のギタリストに使用されます。
それから不人気な時代が続きますが、1990年代以降にオルタナティブ系のギタリストに使用されてから人気が上がり、近年では若い世代のギタリストも使用することが多くなっています。
ジャズマスターのピックアップはテレキャスターやストラトキャスターのシングルコイルよりも大きいもので出力も大きく、それがジャズマスターの個性となっています。
強いて言えばギブソンのP90ピックアップに近いものであると言えますが、サウンドはフェンダーらしいものとなっています。
フロントピックアップにはプリセット回路が組み込まれており、フロントピックアップ付近にあるボリュームとトーンを調整し、それをスイッチひとつですぐに呼び出して使用することができます。
これはあまり重宝されている機能ではないようですが、ソロとバッキングで音色やボリュームを変えたい時に便利かもしれません。
ボディはオフセットウエストと呼ばれる左右非対称なもので、バランスのとれたものとなっています。
コンター加工も施されているので体にフィットするものとなっています。
アーム奏法も可能で、フローティング・トレモロ・ユニットと呼ばれるシステムが導入されています。
ストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロ・ユニットとは違ったシステムで、ビグスビーアームに近いものとなっています。
ブリッジサドルは弦が乗っかっているだけなので、激しいピッキングをすると弦がずれてしまいやすいという欠点があります。
なので、ブリッジを変更するギタリストも多くみられます。
弦を長く使用する構造となっているので、ロングスケールでありながら弦のテンションが強くないという特徴があります。
フレットボードはローズ指板となっていますが、ローズ指板が用いられたのはフェンダーではジャズマスターが初でした。
フェンダー ジャズマスターを使用している名手ギタリスト3名を紹介
では、ジャズマスターを使用しているギタリストを紹介していきたいと思います。
トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)
1970年代後半のニューヨークパンクを代表するバンドのひとつであるテレヴィジョンのボーカルギターであるトム・ヴァーレインはジャズマスターの使い手です。
テレヴィジョンのもう一人のギターであるリチャード・ロイドとリードプレイを分け合うスタイルで、リチャード・ロイドのテレキャスターとの掛け合いは秀逸なものです。
トム・ヴァーレインは長尺でアヴァンギャルドなギターソロを弾くことが多く、その演奏は是非聴いてほしいものです。
近年はストラトキャスターを使用することが多いようです。
おすすめのアルバムは1977年のテレヴィジョンのファーストアルバムであるマーキー・ムーンです。
トム・ヴァーレインのギターとテレヴィジョンの素晴らしい演奏が詰まった名盤です。
・テレヴィジョンのアルバムを紹介した記事はコチラです。
サーストン・ムーア(Thurston Moore)
ソニック・ユースのボーカルギターであるサーストン・ムーアはジャズマスターの代表的な使い手です。
オルタナティブ系のギタリストがジャズマスターを使用することが多いのは彼の影響によるものが大きいでしょう。
ソニック・ユースの活動初期(1981年結成)からジャズマスターを使用していたようですが、当時ジャズマスターは人気が無く、安値で手に入れることができたそうです。
こういった背景があって当時のバンドマンはジャズマスターを手にすることが多かったと考えられますが、サーストン・ムーアがジャズマスターを使い続けていることからオルタナティブな音楽とジャズマスターには親和性があるのでしょう。
サーストン・ムーアは変則チューニングを駆使して、ノイジーなサウンドで楽曲を作り出していきました。
その独創的で挑戦的な音楽は後のバンドにも大きな影響を与えています。
おすすめのアルバムは1988年のアルバムであるデイドリーム・ネイションです。
サーストン・ムーアのギター、ソニック・ユースの魅力を存分に感じることのできるアルバムです。
ネルス・クライン(Nels Cline)
アメリカのシカゴを拠点に活動するバンド、ウィルコのギタリストであるネルス・クラインもジャズマスターの名手です。
ネルス・クラインはジャズを始めとして様々なジャンルの演奏に参加し、即興演奏を得意としていました。
2004年からウィルコに参加し、存在感のあるギターを聴かせてくれています。
様々な機器を駆使して鳴らす音は唯一無二と言えるものです。
ネルス・クラインのメインギターは1959年のジャズマスターで、塗装の剥げたルックスは非常に風格を感じます。
ブリッジはマスタリー製のものに交換されているようです。
マスタリーブリッジはジャズマスターの欠点である弦落ちを解消してくれるようですが、ジャズマスター特有の音が失われてしまうといった指摘もあります。
こちらの動画ではネルス・クラインが自らのギターやアンプ、エフェクターを紹介していて非常に興味深いです。海外の動画なので字幕がないのが残念です。
おすすめのアルバムは、2005年のウィルコのライヴアルバムであるキッキング・テレヴィジョンです。
個人的にも最高のライヴアルバムだと思っているので是非とも聴いてみてほしいと思います。
さて、ここまで共通した系譜のギタリスト3人を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
もしこのギタリストたちの曲を聴いたことがないというのであれば、是非とも聴いてジャズマスターの魅力を感じてもらいたいと思います!
・フェンダー テレキャスター、ストラトキャスター、ギブソン レスポールを使用しているギタリストを紹介した記事はコチラです。
・ジャズマスターの弦交換の手順を紹介した記事はコチラです。
・エレキギター初心者が覚えるべきコードとその仕組みを紹介した記事はコチラです。
・エフェクターの種類と定番モデルを紹介した記事はコチラです。
・ギターリフがかっこいい名曲を紹介した記事はコチラです。
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